あの犬この猫そこの馬

自然を基調に、エソラゴトをのんびり考えていく

夢うつつは試験官の色彩

なんの実験だったか、あまりよく覚えていない。

 

たしか、牛乳、豆乳、スキムミルク低脂肪乳なんかを、試薬を使って特定するとかいう課題だった気がする。

数年前の生物基礎の授業だった。

これだけ綺麗な結果が出ていながら、5種類中3つは当てられなかったことだけは覚えている。

 

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正解を当てられた2種類のサンプルだって、実験結果を見なくても、見た目と匂いでなんとなく、牛乳か、豆乳か、それとも別のものか、わかってしまうものだ。

まぎらわしいし、まどろっこしいから、飲んで確かめたくて仕方なかった。

 

わかっている。そもそもこの実験の目的は、これからの本格的な生物学の授業をするにあたって、試薬の使い方を導入するといったところなのだろう。

 

それでも、そこで得られた点数はどうであれ、試験官の中の色は、綺麗だと思った。

こういう色合いのものがガラスの中に並んでいると、なぜだかコレクター精神をくすぐられる。

 

大真面目な授業の中で、自分の部屋に飾っておきたくてそわそわしてしまうような繊細かつ鮮やかなものを、仏頂面で観察しているという状況がすでに面白い。

評価のこともあるから、鮮やかさに目を見張っている場合ではないはずなのだけど。

 

私はとことん、そういう作業に向いていない。

目の前で展開される情景にかまけてばかりで、説明を聞きそびれ、記録を取り忘れるのだ。

あとで、この実験結果はどう思う?と友人に相談されても、「そうそうこれは綺麗な青だった」という言葉しか出てこないのでまったく役に立たない。そう答える私の横で、別の友人が見かねて、ここはこの反応があるからああでこうで、と説明してくれるものだから、その間にはさまれた私はますます使い物にならないのだ。

 

美しさに心惹かれる自分と、冷静に観察する自分を両方うまく飼いならしてこそ、だろうか。

けっきょく、論理的な観察ができるからこその面白さがあるとするなら、ぜひともそこに到達してみたいとは思う。

 

道のりは長い。

まずは、質問の意味が理解できていなくても、曖昧にうなずく癖をなおすところから始めるのがいいかもしれない。