あの犬この猫そこの馬

自然を基調に、エソラゴトをのんびり考えていく

二度会うのは青いトンボ

綺麗、を多用しすぎるとそこに込めたい言葉の重みがなくなってしまう気がするのだけど、

私の絶望的な語彙の中では他に言い表しようがないので、やっぱり「綺麗」と言うことにする。

 

生き物、とりわけ昆虫のもつ青色は、目に毒なほど深く鮮やかで、その上、共感を求めない高貴さがある、とふと思う。

私が虫たちの見事な青をどう思おうが、彼らには関係ないのだ。

 

その青色を私が認識したところで、どこかの本能が刺激されて、その虫に食べ物を届けてあげようとか、その虫のつがいを呼び寄せるような化学物質を発するとか、恐怖を感じて傷つける前に逃げ出したくなるとか、そんな遺伝情報は組み込まれていない。ただ、いい色だなあ、と感心するだけである。

そもそも、その青色だと思っているものも、昆虫の目からはどんな風に見えているのかすらわからないのだ。

彼らの色は、私のご機嫌を伺うために作られたものではないと仮定する。そうすることで、ますますその生物が魅力的に思えてきてしまうのは、私が所有するなけなしの興味がまだ健在だという証明に他ならない。

 

だからこちらも独りよがりに、私はその青を「綺麗な色」と呼ぶ。

そのくらいの勝手は許してほしい。

 

 

先日、少し遠出した先の湖のほとりで、2匹の青いトンボを見かけた。

意外と警戒心は少なくて、無計画ににじり寄っていっても、ある程度は近づけた。

 

1匹目。歩き出してすぐに、目の前をふらふら飛んできて地面におりたつ姿が目の端に映る。

羽に白黒の縞模様が施された、薄く青みがかった寸胴のトンボ。

調べたとところ、Eight-Spotted Skimmer という種らしい。黒い斑点が羽に計8つあるからだろう。和名がどうしても見つからなかったので、それっぽく ヤツボシトンボ とでも呼んでおきたい。

 

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2匹目。そのあとすぐに、細長い何かが私の真ん前を堂々と横切っていく。

天然鉱石のような艶やかな青色を全身にもつ、糸トンボ。

軽く調べたくらいだと似た種の候補がいっぱいありすぎて、これだというものを特定できなかった。たぶん、Common Blue Damselfly (ルリイロトンボ) だと思う。

  

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(画質の悪さ=私の技量)

 

 

どちらも綺麗だった。

奥ゆかしい淡白な青色も、無機物のような艶やかな青色も、とてもよく似合っていたよ、と伝えたい。

が、あいにく虫の言語には精通していないのと、写真を撮り終えた瞬間にどこかに消えていた俊敏さを見るに、私には到底無理な話だろう。